いま、私がすべきことに全力で取り組みます

奥野 枚方市議会議員(2021年3月)

枚方市議会議員の奥野みかです。

 

2月26日から始まった3月の定例月議会が終わりました。さまざまな状況変化のもと、力不足を実感しつつも、いろいろなことを調べ、学び、対応してきたこの1か月余を振り返ってみます。

 

 

3月定例月議会の直前、2月24日には、枚方市駅周辺再整備の具体化に向けた検討について審議する全員協議会が開催されました。

 

これまでの議会でも、市駅周辺再整備事業については、市民とともに考える姿勢をもって、どうぞ枚方の未来に禍根を残すことのないよう、いまの社会経済情勢に応じた的確な状況判断・財政判断を行っていただきたいことを繰り返し訴えてきました。今回も伝えるべきことは同じです。

先行する大阪府における説明が既成事実となり、枚方市における議論や民主的な合意形成が形骸化してしまうことはないのかという懸念からの質問をまずは行い、続いて、⑤街区に整備しようとする新庁舎の機能について、⑤街区における区画整理事業の対象課題について、さらに、④街区の市民会館大ホール廃止後の取り扱いについて、順に質問しました。

 

市民会館大ホールについては、特定建築物定期検査において、外壁には亀裂・浮き・露筋が指摘されている外壁3面に、多額の費用をかけて、緊急処置として「落下物防護ネット」を設置するとの説明ですが、条例で設置する公共施設としての大ホールは、2021(令和3)年9月末での廃止が決定されています。

 

「持続的に魅力が高まるまちづくりに向けて、エリアマネジメントを促進していくことが必要と考えている。その仕組みの導入や組織づくりに向け、まずは、市民会館大ホールロビーなどの公共空間を活用し、近隣地域と連携してエリアマネジメントの促進に取り組む考えである。」と市は答弁されていますが、危険性が指摘されている建築物のロビー部分を活用してエリアマネジメントを促進していくのでしょうか。

 

 

▲全員協議会で質疑

2月26日、3月定例月議会の初日には、市長により2021(令和3)年度の市政運営方針が述べられました。3月5日、8日にはその内容に対する各派からの代表質問で、連合市民の会は、番匠議員が質問に立ちました。

 

3月9日は議案審議。補正予算や条例案件など多くの審議が行われました。条例案件のうち、「子どもを守る条例の制定について」は、教育・子育て常任委員会に審議が付託され、3月11日に審議されました。

 

「手話でつむぐ住みよいまち枚方市手話言語条例の制定について」は質問をしました。手話は言語であり、それがないと困ること、ろう者が手話によるコミュニケーションを図る権利があるということを周知し、理解を求めていくということは、すべての人が安心して暮らせるまちをつくるという観点からも、誰一人取り残さないというSDGsの観点からも非常に大切ですが、市はこの条例の制定により、どのような周知・啓発を行うのか、要望の多い病院での手話通訳についてはどのような取り組みを考えているかについて、説明を求めたところ、関係機関・医療機関に対する実効性のある周知・啓発に取り組むとともに、特に、医療機関への理解を促すためのリーフレットの配布を予定していることを議案質疑で確認しました。

 

 

また、初日に提案された一般・特別・事業会計の2021(令和3)年度予算案(10件)は予算特別委員会に付託され、3月16日、18日、22日、23日、25日の5日間で審議されました。昨年に引き続き、私は委員に選出され、審議に臨みました。

 

 

今回の予算特別委員会では、コロナショックの影響も計り知れない中、財源を確保できるのかという懸念があり、収入面に着目してきました。特に、コロナショックは、一律の打撃ではなく、女性の非正規労働者を選択的に直撃している、とも言われています。一般会計では、自主財源である市税収入を取り上げ、市税収入を見込むにあたっても、市として必要な施策展開を行うにあたっても、納税者市民の「事実認識」が必要で、所得階層別や業種・業態別の分布、正規・非正規の別、男女差(ジェンダー格差)なども踏まえた現状の分析を、市の保有する課税情報に基づき、的確に行っていく必要があるのではないかと意見もしました。

 

また、自主財源である基金については、社会経済情勢の激変などの状況変化に対応し、安定的で持続可能な財政運営を行うためにも不可欠な資金で、それは、行財政改革などの努力で捻出するしかないと考えています。突発的な財政需要や災害に対応する財源として「財政調整基金」が果たす役割は極めて大きなものがありますし、将来の地方債残高を増大させる政策展開を行うのであれば、「減債基金」の計画的な積立ても必要だと思います。さらに、「特定目的基金」としては、老朽化する公共施設の更新など計画的な公共施設整備への引当財源となる「施設保全整備基金」への計画的な積立てが必要であり、そのための方針を定めておくべきであることを意見しました。

 

しかしながら、「この街に住みたい基金」については、これまでも繰り返し指摘していますが、予算編成上の都合で、市長が特別視する一部の事業に一般財源的に使える仕組みを支える基金財源とすることなく、運用については慎重であるべきで、市長の「別のお財布」を作るようなことは適切ではないということを、法に定める「特定目的基金」の観点から指摘し、全面的な見直しを求めました。

 

▲予算特別委員会で審議に臨む

予算特別委員会において、市民会館大ホールの維持管理費用についても質問しました。

 

全員協議会では、解体にかかる費用を約1億6千万円とされ、いま解体を行うと全額市の負担で、土地区画整理事業で行えば、建物の移転補償費が約9億円となり、解体費用の半額の国補助を受けることができるという説明で、約10億円の負担差があるとの答弁でしたが、事業の具体化は、令和5年度以降のいつになるかわからないのが実情です。

 

土地区画整理事業では建物の移転補償費が見込めるとの説明ですが、その土地区画整理事業地内の最大の土地所有者は枚方市であり、移転補償費用を別の誰かが負担してくれるわけではありません。枚方市が主体の土地区画整理事業で、廃止した自らの公共施設の建物の補償することにし、その費用に対して補助金の交付を見込むというのも何とも虫のいい理屈で、「捕らぬ狸の皮算用」になっていないかと指摘し、「落下物防護ネット」を張り巡らされ、役割を終えた危険な建築物が市駅南側に長く放置されることのないよう、廃止施設であってもリスク管理のために莫大な費用がかかる大ホール棟の早期の解体撤去を改めて要望しました。

 

▲外壁改修工事の始まった市民会館大ホール棟

29日の最終日。追加議案として、2020(令和2)年度一般会計補正予算(第15号)と2021(令和3)年度一般会計補正予算(第1号)が提出されました。予算特別委員会の委員としては、委員長の審議結果報告を受け、2021(令和3)年度当初予算案が通過してすぐに補正予算案が提出されることに違和感を覚えましたが、手続き的には可能と説明を受けました。当日は多くの質問がありました。

 

3月22日以降、大ホール棟の改修工事のための足場が組まれていますが、2020(令和2)年度補正予算(繰越明許費)の市民会館外壁工事2,000万円には、会派の番匠議員から質問がありました。まずはリスク回避の安全確保が必要であることは理解しますが、危険建築物の早期の解体を行うのが賢明な判断であると思います。

 

 

この1か月余、本当にいろいろなことがありました。

 

議員にならせていただき、まもなく2年。折り返しになります。できたこと、できていないこと、取り組んでいることを整理しながら、前へと進んできたいと思っています。

 

すべての人が「今」を輝いて生きていける社会。一人ひとりのありのまま・多様性を認め合い、誰一人取り残されず、お互いさまで支え合える社会。みんなが安心して暮らせる社会のために、いま、私ができること、しなければいけないことにこれからも引き続き取り組んでいきたいと思っています。枚方市の動き、これからもしっかりとウオッチし、発言していきます。

 

さまざまな活動については、ホームページの報告を更新していきますので、お立ち寄りいただければ嬉しいです。

 

奥野みかホームページ → https://okuno-mika.com